「脂質」は太る、ダイエットの敵!というイメージがある人も多いのでは?
脂質は私たちが健康な身体を維持していくために必要な三大栄養素の1つです。
脂質は確かに他の栄養素に比べカロリーが高いですが、ダイエットの効率を上げてくれたり、美肌効果や代謝アップ、便秘の解消など、美しさと健康のために欠かせない栄養素です。
脂質と上手に付き合うポイントは、“良質な脂質”を選ぶこと!
今回は、脂質の上手な摂り方について解説していきます。
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目次
良質な脂質の選び方のポイントをチェック
脂質は取りすぎると、血中の中性脂肪と悪玉コレステロールを増加させて肥満につながるなど、身体に悪影響を及ぼします。
しかし、身体に良い働きをするものもあるのです。
脂質を構成する脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
動物性脂質に多く含まれる飽和脂肪酸は、血液中の中性脂肪やコレステロール値を上げるので摂りすぎは禁物!
不飽和脂肪酸の方が、一般的に良質な脂質として知られています。
不飽和脂肪酸とは?
不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多可不飽和脂肪酸に分けられます。多可不飽和脂肪酸は体内で作ることができないため、食事で摂取する必要があり必須脂肪酸と呼ばれています。また、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸も、不飽和脂肪酸に分類されます。
オメガ○系という言葉を最近よく耳にしませんか?
これは不飽和脂肪酸の特徴の違いから種類分けした呼び名です。同じ不飽和脂肪酸でも「オメガ○系」によって身体への作用が全く異なります。
基本的にはオメガ3系、6系、9系に分けられます。不飽和脂肪酸の中の一価不飽和脂肪酸がオメガ9系、多価不飽和脂肪酸がオメガ3系と6系に分類されます。
一般的にオメガ6系脂肪酸よりオメガ3系脂肪酸の方が良質な油として知られていますが、脂質を取る上で、このオメガ3系、6系、9系の脂肪酸の取り方が非常に重要なのです。
ポイント①オメガ6系を控え、オメガ3系を積極的に摂ろう
現代の日本人はオメガ6系を摂りすぎている!
オメガ3系脂肪酸は細胞膜を柔らかくし、オメガ6系脂肪酸は細胞膜を硬くする、という相反する働きがあります。
両方とも人間の体内で作り出すことができないため、日々の食事で適量を摂取し続ける必要がありますが、世の中にはオメガ3系に比べてオメガ6系を含む油が圧倒的に多く、現代の日本人は極端にオメガ6系に偏った食生活になっています。
オメガ6系脂肪酸を含む油…大豆油、コーン油、ゴマ油、グレープシードオイルなど
オメガ3系脂肪酸を含む油…アマニ油、えごま油など
また、肉や加工食品、インスタント食品にはオメガ6系の脂肪酸が多く含まれています。反対にオメガ3系は魚の油などに含まれます。和食から加工食品が中心の食生活になってしまったため、オメガ6系脂肪酸型の状態になり、心臓病や糖尿病のリスクが日本人にも増えたと言われています。
オメガ6系脂肪酸に分類されるリノール酸には、血中コレステロールを低下させるなど身体に良い機能があるのですが、摂りすぎによる悪影響の方が心配されるのは複雑ですね。
また、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取はアトピー、喘息などのアレルギー症状も起こしやすいです。気付かないうちに取りすぎてしまう傾向にあるため、注意しましょう。
希少なオメガ3系は、ダイエットや健康効果も◎
オメガ6系に対し、オメガ3系は積極的に摂取したい油です。
ほとんどの油は、飽和脂肪酸とオメガ6系、9系が主成分になり、オメガ3は非常に希少な成分です。オメガ3系は魚の油やえごま油、アマニ油などに多く含まれます。
特に魚の油はオメガ3系の中でも特に重宝されるEPA、DHAを豊富に含んでいます。EPAやDHAは血圧の低下、脳の認知能力向上の効果があります。炎症を抑えて、アレルギー症状の緩和にも効果があります。
希少な上に健康やダイエットにも効果がある脂肪酸なので、積極的に摂るようにしましょう。
ポイント②オメガ9系脂肪酸はオメガ6系の代用で使用しよう
オメガ3系と6系の脂肪酸は相反する効果があると言いましたが、オメガ9系の脂肪酸は中立の立場です。
必須脂肪酸ではないため積極的に取る必要はありませんが、オメガ6系脂肪酸の摂りすぎを防ぐために、代用として摂るのにオススメです!
オメガ9系はオリーブオイルなどに多く含まれ、熱に強いことが特徴。サラダ油の代わりにオリーブオイルを使用するなど、料理の際に代用として使ってみましょう。
オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロールの値を下げるなど、健康にうれしい効果がありますよ。
ポイント③トランス脂肪酸の摂取は控えよう
「トランス脂肪酸」という言葉を聞いたことがありますか?
食の安全に興味のある人なら、1度は聞いたことがあると思いますが、今このトランス脂肪酸の危険性が注目されています。トランス脂肪酸とは、簡単にいうと人間の手が加えられている油のこと。常温では液体の植物油脂を化学処理によって固体化、さらに参加しにくい性質に変化させますが、その過程で多量のトランス脂肪酸が発生します。
こうして人工的につくられたトランス脂肪酸をたくさん含んでいるのが、マーガリンやショートニングです。
トランス脂肪酸は主に心臓に蓄積され、心臓病や糖尿病などのリスクを高めると言われています。すでにアメリカでは食品の使用が全面禁止になっています。くれぐれも摂りすぎには注意しましょう。
まとめ
脂質は避けるのではなく、良質な脂質を適量取ることが大切!ということがお分かりいただけましたか?
では今日のポイントです。
①オメガ6系は控えよう
②オメガ3系を積極的に摂取しよう
③トランス脂肪酸は避けよう
毎日の食事で、自分がどのくらい脂質を取っているのか、ぱっと答えられない人も多いのでは?
この機会にぜひ食生活を見直して、“良質な脂質を適量取る”健康的な生活にシフトしましょう。